いっしーの明るい社会の窓

ゆとり世代のマジキチブログ

マゾの語源になった男 L・ザッヘル=マゾッホ著「毛皮を着たヴィーナス」を読んで。

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 いっしーです。

歴史に名を刻んだ変態 L・ザッヘル=マゾッホ先生が執筆した中編小説「毛皮を着たヴィーナス」を読みました。

マゾッホ先生は記録に残る限り最古のドM男で、マゾヒストの語源になったレジェンドなドMです。

反対にサドヒストの語源となったレジェンドなドS男はマルキ・ド・サド先生です。サド先生の作品はまだ読んでないので、そのうち読もうと思います。

 

SとMは今でこそ気軽に使われる言葉になりましたが、マゾッホ先生の「毛皮を着たヴィーナス」を読んでしまうとSMは簡単に使える言葉じゃない。SMの世界はディープ過ぎて、常人の感覚では理解できない世界だと良くわかります。

ぼくもM気質なのは自覚しておりましたが・・・世界は広いぜ、レジェンドの考えることは理解が追い付かねえ。

マゾッホ先生は自分の性癖を小説という形で表現して、それが哲学レベルまで到達しちゃったんですよね。「毛皮を着たヴィーナス」はマゾッホ先生の代表作でマゾヒストの原点と言われています。

執筆したのは今から約150年前の1871年!!

150年前のM男の性癖全開小説が、今では文化的価値を持つ作品として扱われているのです。なんということでしょう。変態と言えども、その道を究めた人間というのは歴史に名を残すのですね・・・。

 

「毛皮を着たヴィーナス」

主人公のセヴェリーン(極度の変態)がヒロインのワンダ(美しい未亡人)と恋に落ちるが、主人公の性癖が歪みすぎており、自分を奴隷のように扱ってほしいと懇願する。初めこそワンダは主人公を奴隷のように扱うことを拒むが、好きな人の頼みならば・・・と少しずつ受け入れていく。やがて行為はエスカレートし、契約書を交わし正式に主人と奴隷の関係性になるが・・・

感想

読んだ感想としては、この主人公めっちゃ欲しがりって感じましたね。SMと言えばサド(S)が主導権を握り、マゾ(M)が受け入れるイメージがありますが、この作品では逆の印象を持ちました。

極度のドMの主人公が、ヒロインのワンダに対して「自分を鞭で打て!」と命令するんです。マゾがサド役に対して命令するのです。一見鞭で打っているサドが主導権を持っているように見えますが、命令してるのはマゾの方です。これもう訳分かんねえな。

そもそもマゾ(M)の反対がサド(S)というのも僕らの勝手な思い込みのようです。マゾとサドは表裏一体と言われており、対極の存在では無いらしい。

元々ヒロインのワンダは自由主義者で天真爛漫な性格ですが、他人に痛みを味合わせて気持ち良くなるようなサディストではありませんでした。それを主人公が自分の理想のご主人様になるように教育していくのです。自らに危害を加えるように命令し、そこに快楽を感じるように相手を教育しようとするのですから、相当な物好き、変態と言えるでしょう。

恋人を自分好みに教育するのは現代でも自然に行われています。好みの髪型や服装にしてもらったり、好きな趣味を共有するのはおかしなことではありません。

彼はバックでするのが好きみたい。私はあんまり好きじゃないけど、好きな人の為なら・・・と受け入れ、そのうち本人もバックが好きになってしまう・・・みたいな。ちなみにぼくは寝バックが好き。理由は楽だから。

 

っていうか主人公のセヴェリーンがめっちゃ欲しがりなんですよね。相手が求めてないのに勝手に尽くし、その見返りとして愛を求める。欲しがりすぎるでしょ。

しかしですね、しかし・・・好きな人に対して尽くし過ぎてしまうM気質は自分と重ねてしまう所もありました。ぼくも本当に好きになった相手には、全てを差し出して尽くしたいと思ってしまう節があります。美容関係は全てできますし、料理も自宅で食べる分には困らないレベル。相手が欲している事を読み取り、エスコートするような気づかいも普通の男の人よりはできます。

セヴェリーンとワンダのように主人と奴隷の関係とまでは行きませんが、色々とお世話をする主人と執事のようなポジションに憧れます。

「毛皮を着たヴィーナス」で歴史に名を残すドM男にドン引きしつつも、少し自分と重ねてしまう現代のソフトMの姿がここにありました。

 

主人公のセヴェリーンとヒロインのワンダのラストは、まぁ、お察しという感じで終わるのですが、ぼくが過去に尽くしてきた女性達とのラストもお察しです。男が女性に対し、尽くして尽くして全てを捧げてもハッピーエンドにはなりえないということです。

確かに過去、ぼくが惚れ込み尽くしてしまう女性とは上手く行きませんでしたが、一緒にいてそれなりに楽しいんじゃね?ってスタンスで付き合っていた女性とはそれなりに上手く行きました。もしかすると、女性は服従心を持った尽くし男を求めていないのかもしれません。優しい男は好きだけど、それだけじゃダメ。

かといってどうしたら良いのか分かりません。最近では自分が好きになりすぎてしまった相手とは幸せになれない宿命にある、そういう運命なんだ。と過度に傷つかないために予防線を張る始末です。おれに本当の愛を教えてくれ。

 

「毛皮を着たヴィーナス」はそんなことを考えさせられる名書でした。M気質を自覚している男性や、尽くし過ぎてしまうが故に恋愛が上手く行かない人に特におすすめの一冊です。

 

いっしー